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ケアマネ・相談員の仕事

【令和8年6月〜】ショートステイの処遇改善加算はどう変わる?相談員が確認すべき変更点と実務対応

ショートステイの処遇改善加算、令和8年6月からどう変わるの?加算の話って経理や管理者まかせで、相談員の私は正直よく分かっていなくて…。

Dr.マカロン
Dr.マカロン
お団子団長
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実は、加算が変わると利用者さんの負担額も変わるんです。だから相談員こそ押さえておきたいテーマなんですよ。

そうなんだ!じゃあ、相談員としては何を確認しておけばいいの?

Dr.マカロン
Dr.マカロン
お団子団長
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この記事で、6月からの変更点と、相談員が現場でやるべき実務対応を、介護保険にくわしくない方にもわかるように整理しますね。すべて厚生労働省の一次資料にもとづいて、参照元のURLも付けています。

⚠ はじめに必ずお読みください

処遇改善加算の制度はとても複雑で、改定や追加のQ&Aによって取扱いが変わることもあります。この記事はできるだけ正確な解説を心がけていますが、筆者の解釈が誤っている可能性もゼロではありません。実際の算定・申請にあたっては、ブログ記事だけで判断せず、必ず厚生労働省が公表している最新の通知・Q&A・別紙などの原文をご確認ください。判断に迷う場合は、指定権者(都道府県・市町村)に確認することを強くおすすめします。

処遇改善加算とは?令和8年6月から何が変わる?

介護職員等処遇改善加算は、事業所が介護報酬に上乗せして算定し、その算定額に相当する金額を職員の賃金改善に充てる仕組みです。「もらって終わり」ではなく、算定した額に見合う賃金改善を必ず行うことが前提になっています。

令和8年度の改定では、賃金改善の対象が「介護職員のみ」から「介護従事者」に広がり、看護師・ケアマネ・相談員・事務職なども配分対象になりました。そして令和8年6月から、ショートステイの処遇改善加算は、加算率が引き上げられ、区分も「イ・ロ」に細分化された新しい体系に切り替わります。

📌 6月からのポイント

・加算率が引き上げられる(区分によって率が変わる)
・加算Ⅰ・Ⅱが「イ」と「ロ」に分かれる
加算率が変わる=利用者さんの負担額(利用料)も変わる

📖 この項目の参照元:厚生労働省「介護職員等処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和8年3月13日 老発0313第6号)」
関連通知・取扱い資料(PDF)→ https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001675724.pdf

ショートステイの処遇改善加算率【令和8年6月以降】

6月以降の加算率の早見表です。短期入所生活介護と介護予防短期入所生活介護は同じ率です。

区分 令和8年6月以降の加算率
加算Ⅰ Ⅰロ 17.6%/Ⅰイ 16.3%
加算Ⅱ Ⅱロ 17.2%/Ⅱイ 15.9%
加算Ⅲ 13.6%
加算Ⅳ 11.3%

表の数字は「率」であって単位数ではない

ここを間違えやすいので注意です。表の数字は「加算率(%)」であって、加算の単位数そのものではありません。実際の加算は、基本サービス費に各種加算・減算を加えた「1か月あたりの総単位数」に、この率を掛けて計算します。なお、この処遇改善加算は区分支給限度基準額の対象外です。

お団子団長
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加算率はサービス種別ごとに違います。ここはショートステイの数字なので、他のサービスを調べるときは必ず「別紙(加算率表)」で自分のサービスの欄を確認してくださいね。

📖 この項目の参照元:厚生労働省「令和8年度介護報酬改定 別紙(別紙1 表1-1・表1-3 =加算率表)」
別紙・加算率表等の資料(PDF)→ https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001681254.pdf

【相談員必読】6月の加算切り替えで気をつけること

ここがこの記事のいちばん大事なところです。加算率が変わるということは、利用者さんが支払う利用料も変わるということ。相談員として6月の切り替え前後で見落とせない実務ポイントが3つあります。

1
請求時に「加算区分が6月から切り替わっているか」を確認
6月サービス提供分から新しい加算区分・加算率に切り替わります。国保連への請求の際、旧区分のまま算定していないか、新しい区分で正しく反映されているかを必ずチェックしましょう。切り替え漏れは返戻や過誤調整の原因になります。

2
6月の算定開始前に、重要事項説明書・料金表・加算表を変更
加算率が変われば利用料金も変わります。6月を迎える前に、重要事項説明書・料金表・加算一覧(加算表)を新しい内容に更新しておきましょう。

3
利用者さん・ご家族へ説明し、あらためて同意を得る
料金が変わる以上、変更内容を利用者さん・ご家族へ説明し、事業所の運用に沿った形(署名・記名押印など)であらためて同意を得ることも忘れずに。これも6月前に済ませておくと安心です。

加算が変わると利用料も変わるから、書類の更新と再同意がセットなんですね。うっかり忘れそう…。

Dr.マカロン
Dr.マカロン
お団子団長
お団子団長

そうなんです。「請求の切り替え」「書類の変更」「再同意」の3点セットを6月前のチェックリストにしておくと安心ですよ。

📖 この項目の参照元:加算率の変更は厚生労働省「別紙(加算率表)」による。重要事項説明書の交付・説明・同意は運営基準(指定居宅サービス等の人員、設備及び運営に関する基準)にもとづく事業者の義務です。
別紙・加算率表等の資料 → https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001681254.pdf

加算区分ごとの算定要件【6月以降・早見表】

どの加算区分を取るかで、満たすべき要件が変わります。下の表は、6月以降のショートステイ向けに要件の対応を整理したものです(○=必要、―=不要)。

要件 Ⅰイ Ⅰロ Ⅱイ Ⅱロ
月額賃金改善要件
キャリアパス要件Ⅰ
キャリアパス要件Ⅱ
キャリアパス要件Ⅲ
キャリアパス要件Ⅳ
キャリアパス要件Ⅴ
職場環境等要件(基本区分) 各2以上 各2以上 各2以上 各2以上 各1以上 各1以上
生産性向上区分 3以上 3以上 3以上 3以上 2以上 2以上
見える化要件
令和8年度特例要件

ポイントは、追加の「令和8年度特例要件」が乗るのは、加算率が最も高い「Ⅰロ」と「Ⅱロ」だけという点です。

📖 この項目の参照元:老発0313第6号通知(本文)/別紙(別紙1 表2-1・表2-2・表3)
関連通知 → https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001675724.pdf
別紙・加算率表等の資料 → https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001681254.pdf

押さえておきたい要件の中身をやさしく解説

表だけでは中身が見えないので、相談員が知っておくと安心な範囲で、各要件のポイントをかみくだいて説明します。

月額賃金改善要件(加算Ⅳだけの話ではない)

「加算でもらったお金を、ボーナスや一時金ではなく、毎月の給料(基本給や毎月決まって支払う手当)にきちんと反映する」ためのルールです。加算Ⅳを取る場合は加算額の2分の1以上を基本給等に充てます。注意したいのは、加算Ⅰ〜Ⅲを取る場合も「仮に加算Ⅳを算定したら見込まれる額」の2分の1以上を基本給等に充てる必要があるという点です。

すでに処遇改善加算を算定している事業所なら、この要件のためだけに賃金総額を増やす必要はなく、手当や一時金の一部を基本給等に付け替える方法も認められています。ただしQ&Aでは、その結果として事業所全体だけでなく一人ひとりの賃金水準も下がらないよう努めることが求められています。

キャリアパス要件Ⅰ〜Ⅲ(職員が育つ仕組み)


  • 任用要件と賃金体系を文書で整え、全介護職員に周知している

  • 職員と意見交換しながら資質向上の目標と計画を作り、研修や資格取得支援を行う

  • 経験・資格・客観的評価のいずれかにもとづく昇給の仕組みを整備・周知する

常時雇用が10人未満で就業規則の作成義務がない事業所では、内規などでもOKとされています。また昇給の方式は基本給に限らず、手当や賞与による昇給でもよいとQ&Aで整理されています。

キャリアパス要件Ⅳ(年収440万円の職員)

経験や技能のある職員のうち、一定数を年収440万円以上にする、という要件です。判定に含めるのは手当等を含む賃金額で、事業主が負担する社会保険料などは含めません。法人で一括申請する場合は、440万円を満たす職員が法人全体で「事業所数以上」いれば足ります。設定がむずかしい事業所は、合理的な理由を計画書に書けば人数の算定から外すこともできます。

特養などと併設・空床利用型のショートステイは、労務管理が一体であれば本体施設と一体で440万円要件をみることができます。

キャリアパス要件Ⅴ(ショートステイ特有の読み方)

ショートステイでは、サービス提供体制強化加算と結びついています。サービス提供体制強化加算Ⅰがあれば足り、サービス提供体制強化加算Ⅱしかない場合は、併設の本体施設で処遇改善加算Ⅰの届出があることまで求められます。

職場環境等要件(6区分28項目)

働きやすい職場づくりの取り組みを、決められた区分の中から実施する要件です。正式には6区分・全28項目で構成されています。

📌 区分ごとの必要数(ショートステイ)

加算Ⅰ・Ⅱ系:「入職促進」「資質向上」「両立支援」「心身の健康管理」「やりがい醸成」の5区分で各2項目以上+「生産性向上区分」で3項目以上(うち⑰または⑱が必須)
加算Ⅲ・Ⅳ:5区分で各1項目以上+生産性向上区分で2項目以上

便利な例外もあります。生産性向上推進体制加算を算定していれば、生産性向上区分は満たしたものとみなされます。また、1法人で1施設・1事業所のみの小規模事業者は、生産性向上区分は㉔だけで足ります。なお加算Ⅰ・Ⅱ系には、取り組み内容を介護サービス情報公表制度などで外部に公表する「見える化要件」もあります。

令和8年度特例要件(Ⅰロ・Ⅱロ向け)

ショートステイの場合、特例要件は次のア・イ・ウの3択です(どれか1つを満たせばOK)。

ケアプランデータ連携システムの利用

生産性向上推進体制加算(ⅠまたはⅡ)の算定

社会福祉連携推進法人への所属

このうちケアプランデータ連携は「加入だけ」では不十分で、実際に利用することが必要とされ、実績報告書に利用実績を記載します。

用語が多くて頭がパンクしそう…。でも「自分の事業所がどの区分か」で見る要件が決まるんですね。

Dr.マカロン
Dr.マカロン
お団子団長
お団子団長

そのとおりです。まず自分の事業所の区分を確認して、上の早見表で必要な要件だけを追えば、ぐっとラクになりますよ。

📖 この項目の参照元:老発0313第6号通知(本文・別紙)/令和8年度介護職員等処遇改善加算に関するQ&A(第1版)
関連通知 → https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001675724.pdf
Q&A関連資料 → https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001675711.pdf

賃金改善は「誰に」配れる?対象者と運用ルール

⚠ 大前提:加算額以上の賃金改善が必要

処遇改善加算は、算定した加算額以上の賃金改善を行うことが前提です。実績報告で賃金改善額が加算額を下回った場合は返還対象となりますが、不足分を賞与等の一時金として追加配分することで、返還を求めない取扱いも示されています。

相談員から「自分も対象になるの?」とよく聞かれる部分です。結論から言うと、介護職員以外の全職種に配ってかまいません。


  • 配分対象の例:医師、看護師、准看護師、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士、ケアマネジャー、生活相談員、管理栄養士・栄養士、調理員、事務職など

  • 派遣労働者・在籍型出向者・業務委託職員も対象にできる(派遣元や委託先との調整・計画書への反映が必要)

  • 処遇改善加算を算定していない事業所の職員、介護保険外サービスの職員は対象外

運用ルールも大切です。今回の改定で増えた加算額は、過去の自主的な賃上げ実績とは切り離して新たに賃金改善を行う必要があり、その方法はベースアップが基本とされています。配分の自由度は高い一方で、勤務実態に見合わない極端に偏った配分は不可。原則として賃金水準は下げられず、やむを得ず下げる場合は「特別な事情に係る届出書」で経営悪化の事情や労使合意を示す必要があります。

📖 この項目の参照元:令和8年度介護職員等処遇改善加算に関するQ&A(第1版)/老発0313第6号通知(本文)
Q&A関連資料 → https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001675711.pdf
関連通知 → https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001675724.pdf

職場環境等要件の28項目【区分別・早見表】

表現は読みやすく短くしていますが、内容は別紙の表4の項目番号に対応しています。各項目は並んでいる取り組みの「1つ以上」を満たせばOKです。

区分 項目
入職促進に向けた取組 ①理念・ケア方針・人材育成方針の明確化 ②共同採用・人事ローテ・研修制度 ③幅広い採用の仕組み ④職業体験受入れ・地域行事参加
資質の向上・キャリアアップ支援 ⑤実務者研修・専門研修の受講支援 ⑥研修受講と人事考課の連動 ⑦エルダー・メンター制度 ⑧キャリア面談の機会確保
両立支援・多様な働き方 ⑨休業制度・託児環境 ⑩柔軟シフト・短時間正規・正規転換 ⑪有給取得目標と声かけ ⑫属人化・業務偏在の解消
腰痛を含む心身の健康管理 ⑬相談窓口の整備 ⑭健診・ストレスチェック・休憩室等 ⑮腰痛対策・雇用管理改善研修 ⑯事故・トラブル対応マニュアル整備
生産性向上のための取組
※⑰か⑱が必須
⑰業務改善活動の体制構築 ⑱課題の見える化 ⑲5S活動 ⑳手順書・様式の工夫 ㉑介護ソフト・情報端末導入 ㉒介護ロボット・ICT・インカム導入 ㉓役割分担見直し・介護助手活用 ㉔委員会・物品購入・ICT等の協働化
やりがい・働きがいの醸成 ㉕職場内コミュニケーションの円滑化 ㉖地域住民・児童生徒との交流 ㉗理念・介護保険理解の機会提供 ㉘好事例・感謝の共有

Q&Aでは、職場環境等要件は毎年ゼロから新規にやり直す必要はなく、前年度からの継続でも足りることが明記されています。ここは実務上とても大事なので覚えておきましょう。

📖 この項目の参照元:別紙(別紙1 表4 =職場環境等要件)/Q&A(第1版)
別紙・加算率表等の資料 → https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001681254.pdf
Q&A関連資料 → https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001675711.pdf

参照した公的資料の一覧(出典まとめ)

この記事は、すべて厚生労働省の一次資料にもとづいて作成しています。ご自身の事業所の状況を確認する際は、必ず以下の原文にあたってください。

※注意:本記事の加算率・要件は2026年5月時点の情報です。Q&Aは現時点で「第1版(2026年3月13日付)」ですが、今後の改訂で追加・変更される可能性があります。実際の運用にあたっては、最新版の厚労省資料と、各都道府県・市町村(指定権者)の案内を必ずご確認ください。

📝 この記事のポイントまとめ


  • 令和8年6月から加算率が引き上げられ、加算Ⅰ・Ⅱは「イ・ロ」に分かれる

  • 表の数字は「率」。総単位数に掛けて算定し、区分支給限度基準額の対象外

  • 相談員は「請求の切替確認」「重要事項説明書・料金表・加算表の変更」「利用者・家族の再同意」を6月前に

  • 賃金改善は介護職員以外(看護・ケアマネ・相談員・事務等)にも配分できる

  • 加算額以上の賃金改善が前提。下回ると返還対象(一時金での追加配分なら返還不要の取扱いも)
お団子団長
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制度は複雑ですが、相談員が「6月の切り替えで何をするか」を押さえておけば、利用者さんやご家族からの質問にも落ち着いて対応できます。迷ったら、この記事の出典リンクから原文を確認すれば安心ですよ。

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