- 介護保険負担限度額認定証って聞いたけど、よく意味がわからない。
- 家族が介護サービスを使うんだけど、料金面で不安がある。
- 介護保険負担限度額認定証について、人に説明できるようになりたい!
こんな方はこの記事を読み進めてください。
この記事は、介護保険負担限度額認定証の要点を簡単にまとめた記事です。
フローチャートや色々な例、必要な部分のみの解説などで、介護保険負担限度額認定証をとことんわかりやすく解説しています。
『介護保険負担限度額認定証』という名前だけでも難しく感じるかもしれないけど、実際は
書類が発行されると決められた介護サービスの食費と居住費が軽減される!
簡単すぎるかもしれませんが、要点をまとめると、このような書類です。
まずは、覚えようとしないで、最後までサラッと読んでみてね!
介護保険負担限度額認定証の全体像を掴んだら、さらにもう一度、気になる部分を読めば、理解が早くできるよ♪
介護保険負担限度額認定証とは?見本で解説!
ポイント
決められた介護サービスを使う際に、食費やお部屋代の負担額(料金)が軽減される!
というもの。
非課税かどうか、一定の所得と一定の預貯金以下という条件に当てはまり、書類が発行された人が対象です。
ちょっと分かりづらいかもしれませんが、厚労省のホームページにはこのように記載されています。
<特定入所者介護サービス費(補足給付)>
引用:厚生労働省HP
介護保険施設入所者等の人で、所得や資産が一定以下の方に対して、負担限度額を超えた居住費と食費の負担額が介護保険から支給されます。
とりあえずは、『介護保険負担限度額認定証』が発行されると、いくつかの介護サービスが安く利用できる!
って言うことを頭に入れておいてね!
介護保険負担限度額認定証が適用されるサービス|つまりは安くなるサービス!
介護保険負担限度額認定証は、どんなサービスを使っても料金が安くなる!という訳ではありません。
この項目では
- 介護保険負担限度額認定証が適用されるサービス一覧(安くなるサービス一覧)
- 適用外のサービスもある!介護保険負担限度額認定証が発行されていても注意が必要です!
この2項目について解説していきます。
まずは『対象となるサービス』と、『そうでないサービス』があることを覚えておこう!
介護保険負担限度額認定証が適用されるサービス一覧(安くなるサービス一覧)
こんな介護サービスが対象です
- 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
- 介護老人保健施設
- 介護療養型医療施設
- 介護医療院
- 地域密着型介護老人福祉施設
- 短期入所生活介護(ショートステイ)
- 短期入所療養介護
聞き慣れないサービスもあると思いますが、ここでは、介護保険負担限度額認定証はこのくらいの決まったサービスで使える!ということを覚えておく程度でいいでしょう。
実際、サービスを使うときに「負担限度額っていうのは適用されますか?」って聞けばいいからね!
ただ、2つのサービスのうちどっちを使うか迷う!なんていう時には、適用されるサービスをもう一度確認しようね!
適用外のサービスもある!介護保険負担限度額認定証が発行されていても注意が必要です!
これらのサービスは適用外です!
- グループホーム
- 有料老人ホーム
- デイサービス
この他にも対象外のサービスはたくさんあります。
この3つは、特養やショートなどと一緒に考えてしまって、実際に使ってみたら適用されてなかった!なんてことも考えられるので注意が必要です。
これ以外にも適用ではないサービスがあるから、その都度確認が必要だよ!
【フローチャートで簡単理解】介護保険負担限度額認定証の対象はこんな3つの条件に当てはまる人|簡単に言うと安くなる人
まずは、このフローチャートで全体の流れを見ておこう!
これから1項目づつ解説していくね♪
介護保険負担限度額認定証の対象になるかどうか、判定には条件があります。
この項目では
- 住民税が非課税かどうか
- 収入が決まった額以下かどうか
- 預貯金が決まった額以下かどうか
- 3つの判定基準をフローチャートで理解しよう!
このような、3つの判定基準について解説していきます。
令和3年に基準に対して改正があったんだ。
その際に厚労省から、お知らせが出たんだけど、仕事で関わっていないとちょっと分かりずらい内容だから、もう少し簡単に解説していくね♪
住民税が非課税かどうか
ポイント1
世帯全員(別世帯の配偶者を含みます)が市町村民税非課税
住民税が非課税かどうかが、まず1つ目の条件です。
注意が必要なのが『世帯全員』『別世帯の配偶者も含む』というところ!
別居していても、奥さんや旦那さんが課税状態だったら、負担限度額認定証は発行されないんだ!
収入が決まった額以下かどうか
ポイント2
- 年金収入等※80万円以下→(第2段階)
- 年金収入等 80万円超120万円以下→(第3段階①)
- 年金収入等 120万円超→(第3段階②)
収入がこのどれかに当てはまっていることが条件です。
また、当てはまっている額によって、負担限度額認定証で免除になる料金の額(段階というもの)が変わってきます。
厚労省の説明に
『※年金収入等=公的年金等収入金額(非課税年金を含みます。)+その他の合計所得金額』
と書かれています。
つまり、年金だけでなく、収入を全体的に見らるということです。
まだこれで決定ではありません!!
この収入額をみたら、その次は、それぞれの段階に定められている預貯金額をチェックしていきます。
箇条書きだと理解が難しいだろうから、この後の項目に出てくる、フローチャートで全体のイメージを掴もう!
預貯金が決められた額以下かどうか|改正後の額
ポイント3
- (第2段階)→預貯金=単身なら650万円、夫婦なら1,650万円
- (第3段階①)→預貯金=単身なら550万円、夫婦なら1,550万円
- (第3段階②)→預貯金=単身なら500万円、夫婦なら1,500万円
先ほどの項目で、収入がどの段階に当てはまっているか確認した後、それぞれの段階で設定された預貯金額に当てはまるか確認します。
先ほども少し書きましたが、『夫婦』というのは別居していても、合算する必要があります。
考えられるパターン
- 旦那さんが特別養護老人ホームや有料老人ホームなどの施設に入所。奥さんが自宅で生活している。
- 旦那さんが長男さん一家と同居。奥さんは次男さん一家と同居。
このような場合も、夫婦の預貯金は1つのものとして考える必要があります。
さあ!色々説明を読んで
「難しい・・・」
と思った方!
ここまでは、なんとなくで大丈夫!
次の項目のフローチャートで整理していこう!
3つの判定基準をフローチャートで理解しよう!
色々と書いてきましたが、このフローチャートの流れを覚えることで、負担限度額認定証がどのような審査基準で発行されるのかが理解できるはずです。
自分の家族が介護サービスを使うという方はもちろん、周りの人に説明する際や、介護関連の仕事をしている人も、このフローチャートを使うと説明もしやすいと思います。ぜひ使ってみてください。
注意
このフローチャートは、あくまでも理解、説明する際に使うものとして作っています。
このフローチャート通りに必ず書類が発行されることを約束するものではありません。
※『負担限度額認定証』は市町村が収入、預貯金をしっかりと審査したうえで決定になる書類です。
介護保険負担限度額認定証で安くなるのは食費と居住費
『介護保険負担限度額認定証』で軽減される(安くなる)のは、対象となる介護サービスの
- 食費
- 居住費(お部屋代)
この2つです。
つまり、料金表上では、介護保険負担限度額認定証があることで安くなっていても、食費、居住費以外でサービスをたくさん使えば、それは 負担限度額認定証の対象外なので、料金が高くなっていきます。
例
- 利用中に受診をした際の医療費。
- 個人的にお菓子を買って立て替えてもらった。
- ショートステイの送迎をたくさん使った。
一部の例ですが、このような場合は、当然、負担限度額認定証を持っていても何も変わりません。
『介護保険負担限度額認定証』は食費と居住費!って覚えておこうね!
介護保険負担限度額認定証で値段ってどのくらい変わるの?段階ごとの料金例
介護保険負担限度額認定証は、4段階(非該当)〜1段階まで、段階が分かれています。
それぞれの段階ごとに限度額、つまり支払う上限額が定められています。
「各段階で、どのくらい料金に差があるの?」
こんな疑問を持つ方も多いでしょう。
令和6年8月から、居住費の上限額が改定になり、以下のような金額が上限額になります。
※【】内はショートステイの金額です。
費用項目 | 第1段階 | 第2段階 | 第3段階① | 第3段階② |
---|---|---|---|---|
食費 | 300円 | 390円 【600円】 |
650円 【1,000円】 |
1,360円 【1,300円】 |
多床室 (特養等) |
0円 | 430円 | 430円 | 430円 |
多床室 (老健・医療院等) |
0円 | 430円 | 430円 | 430円 |
従来型個室 (特養等) |
380円 | 480円 | 880円 | 880円 |
従来型個室 (老健・医療院等) |
550円 | 550円 | 1,370円 | 1,370円 |
ユニット型 個室的多床室 |
550円 | 550円 | 1,370円 | 1,370円 |
ユニット型 個室 |
880円 | 880円 | 1,370円 | 1,370円 |
2段階の人と3段階②の人の料金さを見てみましょう。
ここではユニット型個室で見比べていきます。
2段階の人が 食費390円+居住費880円=1,270円
3段階②の人で 食費1360円+居住費1370円=2,730円
2段階と3段階②の1日ごとの差=1,460円
1日に1,460円差があるのはすごいよね!
4段階はさらに値段が変わってくるから、利用者さんが負担限度額の対象かどうかは、必ず確認するようにしようね。
個室のショートステイの利用料1日分で違いを確認
こんな人の例
- 要介護3
- 介護保険 1割負担
- 個室のショートステイを利用
- 朝、昼、夕の食事摂取
段階 | サービス費 | 食費 | 滞在費 | 1日の合計 |
---|---|---|---|---|
2段階 | 847円 | 600円 | 880円 | 2,327円 |
3段階① | 847円 | 1,000円 | 1,370円 | 3,217円 |
3段階② | 847円 | 1,300円 | 1,370円 | 3,517円 |
4段階 (非該当) |
847円 | 1,800円 | 2,500円 | 5,147円 |