こんな悩みはありませんか?
- ショートステイの長期利用者提供減算のルールがイマイチわからない。
- ルールはわかるけど、人にどうやって説明するか悩んでる。
ショートステイを連続利用していると、31日目から適用される『長期利用者提供減算』。
この減算のルールはあまり難しいものではありませんが、ルールをしっかり把握しておかないと、減算ができていなかったり、間違った単位数で減算をしてしまうリスクがあります。
この記事では!
- 長期利用者提供減算とはどういうものなのか?
- 具体的なルールをイラストを使って解説。
- 長期利用者提供減算の注意点と日数計算をリセットするタイミング
こんな内容で解説をしていきます。
この記事を書いたお団子団長とは?
長期利用者提供減算についてしっかり理解して、計算の間違いだけじゃなくて、周りの人に説明できるようになっていこうね!
令和6年4月に改定!ショートステイの長期利用者提供減算とは?
1箇所のショートステイを連続して30日以上利用すると、ショートステイ事業所はその利用者さんから受け取れる基本報酬(介護度ごとの単位数)が減算されるルールがあります。
このルールが『短期生活長期利用者提供減算』です。
つまり、長期利用減算の開始は31日目からってことだね!
長期利用者提供減算は、連続で使う日数によって、減算される単位数に変化があるんだよ。
31日目以降と61日目以降っていうのがキーワードだから、しっかり覚えていこうね。
31日目〜60日目までの減算される単位数
1箇所のショートステイを連続して使っている場合、まず、31日目からは、基本報酬(単位)から30単位が減算になります。
細かいことを言うと、31日目は介護保険が使えない日なので、実際に単位数として提供票などで減算の計算を始めるのは32日目からになります。
もし、長期利用者提供減算がついた状態で30日利用した場合
−30単位×30日=−900単位
−900単位というと、ショートステイが受ける減算はこの
−900単位×地域加算(約10.0として計算)=9000円
が毎月引かれる計算になります。
61日目以降の減算される単位数
令和6年4月からは、1箇所のショートステイを連続して使用している場合、61日目からは同じ形態の特養の基本報酬と同じ単位数までショートステイの基本報酬が引き下げられます。
実は、この61日目以降のルールには、例外があります。
その例外については、この先の『ショートステイの長期利用減算の注意点』という項目で解説しているので、気になる人は読み進めてください。
ショートをロングで使うと何で減算なの?
そもそも、ショートステイを長く使うとなぜ減算なの?
毎年、各施設で行う『自主点検』という書類の項目に書かれているのは
ショートステイは特養のように、長期間入居している施設と比べると、入退所が頻回にあり、利用者の状態が安定しない中で受け入れる施設の為、通常時の単価は特養より高く設定されている。
長期間ショートを利用(ロング利用)している場合は、特養の入居の状況と大差無くなる為、その初期化算分はショートステイの単価から省きます!
簡単に言うと、このような意味で減算が適用されるという説明がされています。
長期利用減算の計算に便利!特養とショートステイの基本報酬単位表
長期利用減算の理解をする際には、特養の基本報酬表とショートステイの基本報酬表を見比べながら理解していく必要があります。
利用開始から60日目まではいいのですが、61日目以降は同形態の特養と一緒の単位数になる場合がほとんどです。
基本報酬表を見ながら、何単位まで下がるのかを確認してみてください。
ちなみに!
同形態の特養というのがイマイチわからない!という人は、次にある表の『従来型』『ユニット型』という部分をチェックしてください。
ここが一緒なのが『同形態の特養』です。
特別養護老人ホーム 基本報酬表
介護度 | 従来型 | ユニット型 |
---|---|---|
要介護1 | 589 | 670 |
要介護2 | 659 | 740 |
要介護3 | 732 | 815 |
要介護4 | 802 | 886 |
要介護5 | 871 | 955 |
ショートステイ基本報酬表
介護度 | 単独型 従来型 | 併設型 従来型 | 単独型 ユニット型 | 併設型 ユニット型 |
---|---|---|---|---|
要介護1 | 645 | 603 | 746 | 704 |
要介護2 | 715 | 672 | 815 | 772 |
要介護3 | 787 | 745 | 891 | 847 |
要介護4 | 856 | 815 | 959 | 918 |
要介護5 | 926 | 884 | 1028 | 987 |
単独型でも併設型でも、そこは関係なく61日目以降は特養と同じ単位数まで下がるんだね。
ショートステイの長期利用減算の注意点
長期利用減算は、あまり難しい加算ではないのですが、令和6年4月の改定から『併設型・従来型』のショートステイに関しては注意が必要です。
併設型・従来型の注意
『併設型・従来型のショート』に関しては、連続して31日目からの30単位減算がされた時点で、基本報酬が『従来型の特養』の単位数を下回ります。
他のショートは61日後にさらに基本報酬が減算されますが、『併設型・従来型のショート』に関しては、それ以上は下げようが無いので61日目以降も同じく基本報酬から30単位の減算が適用されます。
減算日を間違えやすいロング利用のケース
ショートステイの利用方法によって、減算の日がずれてくることがあるので注意しましょう!
他のショートステイから移動してそのままロング利用する場合
実は、長期利用者提供減算には「同一事業所で」というルールがあるため、『A』というショートステイを利用している途中で『B』というショートステイに移った場合は
『B』に移った日から30日を数え直して31日目からが減算となります。
ここで注意しないといけないのが、31日連続利用した場合の『自費』と『長期利用提供減算』はカウントの仕方が違う!という点です。
先ほども書いた通り、長期利用提供減算は『同一事業所を連続で30日以上利用した場合』31日目から減算になります。
対して、自費は『ショートステイを連続で30日以上利用した場合』31日目が自費になります。
つまり!
次の項目で説明しますが、長期利用提供減算は別施設へ移動すればカウントがリセットされます。
対して、自費に関しては別施設へ移動してもカウントは継続されるということになります。
自費のカウントは、別施設へ移動したらリセットされないどころか、ショートAからショートBに同日で移動した場合は、2施設利用したことになるから、2日分のカウントをしないといけないんだよ!
へぇ。
31日目とは言っても、同日で移動した場合は自費が1日早まるっていうことだね。
途中で帰る場合
途中で自宅に帰って、またすぐに利用する場合は、自宅に帰った日数により、減算の算定開始日が変わってきます。
自宅に2泊3日で帰った場合は、再度ショートステイを利用し始めた日から30日を数え直して、31日目からが減算となります。
自宅に1泊2日で帰った場合は、帰った日と、施設に再度来た日が連続しているため、ショートステイを連続して利用しているという扱いになります。
そのため、帰っても帰らなくても同じ扱いとされ、通常どおり、ショートステイを利用開始した日から31日目から減算が始まります。
長期利用減算がリセットされるのは2泊以上間を開けたとき!
ショートステイの長期利用減算は、そのショートステイを2泊3日以上使わない期間があれば、その後30日間は減算をせずに基本報酬が入ります。
ポイント
- 長期利用減算は、同一のショートステイを連続で利用している場合の減算なので、他のショートに移った場合はリセットされる。
- 2泊3日というのは、正確にいうと丸1日、そのショートを使わない日があればリセットされるということ。
今日家に帰って、明日からまた利用する場合などは、リセットにはならない。
ショートステイの長期利用減算を徹底解説!60日越えの減算やリセットのルールに注意!のまとめ
この記事のまとめ
- ショートステイには同一事業所を連続して利用すると31日目から減算になる『長期利用者提供減算』という制度がある。
- 31日目から60日目までは基本報酬から30単位の減算。61日目からは同形態の特養の基本報酬と同じ単位数まで減算。(一部例外あり)
- 長期利用者提供減算の連続利用は、2泊3日で家へ帰ったり、別の事業所へいかないとリセットされない。
長期利用者提供減算について、ケアマネさんや利用者さん、その家族に聞かれたら、しっかりと答えられるようにしようね!
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