ショートステイでも算定できる口腔連携強化加算。
いまいち内容の理解が面倒くさい!そう考えたことがある方はこの記事を読み進めてください。
この記事では、「口腔連携強化加算」の算定要件について、できるだけわかりやすく解説します。
ぜひ最後まで読み進めてみてね。
新人相談員の成長を加速させる本を書きました!
\30日間無料で読める!/
※AmazonのKindle Unlimitedは月額で電子書籍読み放題のサービスです!
お団子団長の【相談員はじめの1冊】介護施設相談員のスタートブックも読めるので「これから色々な電子書籍を読んでみたい!」という人は、まず30日の無料期間から試してみてください!
口腔連携強化加算とは?
口腔連携強化加算は
- 訪問介護
- 訪問看護
- 訪問リハビリテーション
- 短期入所生活介護
- 短期入所療養介護
- 定期巡回・随時対応型訪問看護
のサービスにおいて、利用者の口腔衛生状態を適切に管理するために2024年に設けられた加算です。
【令和6年度介護報酬改定の主な事項について】での記載内容
厚労省の改定通知には以下のような文章で解説されています。
訪問系サービス及び短期入所系サービスにおいて、職員による利用者の口腔の状態の確認によって、歯科専門職による適切な口腔管理の実施につなげる観点から、事業所と歯科専門職の連携の下、介護職員等による口腔衛生状態及び口腔機能の評価の実施並びに利用者の同意の下の歯科医療機関及び介護支援専門員への情報提供を評価する新たな加算を設ける。
令和6年度介護報酬改定の主な事項について
口腔連携強化加算のメリット
口腔連携強化加算の算定要件を満たすことで、利用者の口腔内の状態を効率的に管理することができます。
例えば、ショートステイを利用する方が口腔連携強化加算を利用する場合、介護職員や看護職員が利用者の口腔の健康状態を評価し、その結果を歯科医療機関に提供することが必要となるため、利用者は専門的なケアや治療に繋げることができます。
口腔連携強化加算のデメリット
加算の算定に歯科医療機関との連携や、利用者やその家族などとの話し合い、同意を得ることが必要なため、他の加算と比べると算定開始までの手間がかかる加算と言えます。
準備が整ったあとは、評価をどの職員がどのように行うか等を検討する必要があり、事前準備をしっかりとしておく必要があります。
口腔連携強化加算の算定単位数
改定後の口腔連携強化加算は以下の単位数を算定することができます。
算定単位数
歯科医療機関及び介護支援専門員に対し、当該評価の結果を情報提供した場合に
1回の評価につき50単位
1ヶ月に1回のみ算定が可能
情報提供をした場合という点と、1ヶ月に1回の算定が可能という点をしっかり理解しておこうね!
口腔連携強化加算の算定要件の詳細
口腔連携強化加算を算定するためには、以下の要件を満たす必要があります。
簡単に言うと?
- 条件に合う歯科医療機関と連携。文章等で取り決め。
- 歯科医師又は歯科医師の指示を受けた歯科衛生士に、口腔の健康状態の評価の方法や在宅歯科医療の提供等について相談
- 口腔の健康状態の評価をそれぞれの利用者に行う。
- 歯医者さんと担当ケアマネへ評価した情報を提供。
※利用者やその家族、担当ケアマネの意向を担当者会議等で確認してから開始する。
歯科医療機関と文章等で取り決め
厚労省から出ている『令和6年度介護報酬改定の主な事項について』では、以下のような文章が書かれています。
診療報酬の歯科点数表区分番号C000に掲げる歯科訪問診療料の算定の実績がある歯科医療機関の歯科医師又は歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が、当該従業者からの相談等に対応する体制を確保し、その旨を文書等で取り決めていること。
令和6年度介護報酬改定の主な事項について
口腔連携強化加算の算定をしたいことを伝えて
- 協力してもらえるか
- 条件に当てはまっているか
を確認しよう!
「文章等で取り決め」っていうのも大事なポイントだね。
口腔の健康状態の評価
事業所の従業者(例:介護職員や看護師)が利用者の口腔の健康状態を評価します。
評価の方法は歯科医師や歯科医師から指示を受けた歯科衛生士さんに相談して決めます。
この評価を行う際には、利用者や担当ケアマネの同意を担当者会議等で得ることが必須です。
情報提供
評価の結果を、利用者の同意のもとで歯科医療機関および介護支援専門員に情報提供します。
これにより、1ヶ月に1回の算定が可能となります。
口腔連携強化加算の算定のポイント
以下の内容が厚労省からの通知に書かれています。
ケアマネジメントの一環
口腔連携強化加算の算定に係る口腔の健康状態の評価は、利用者に対する適切な口腔管理につなげる観点から、利用者ごとに行われるケアマネジメントの一環として行われることに留意すること。
連携歯科医療機関との相談
口腔の健康状態の評価の実施に当たっては、必要に応じて、厚生労働大臣が定める基準における歯科医療機関(連携歯科医療機関)の歯科医師または歯科医師の指示を受けた歯科衛生士に口腔の健康状態の評価の方法や在宅歯科医療の提供等について相談すること。なお、連携歯科医療機関は複数でも差し支えない。
『必要に応じて』って書いてあるから、評価内容について相談できる体制を確保しておくといいね。
評価結果の情報提供
口腔の健康状態の評価をそれぞれ利用者について行い、評価した情報を歯科医療機関および当該利用者を担当する介護支援専門員に対し、別紙様式11等により提供すること。
別紙様式11は厚労省のHPにデータが貼られてたよ!チェックしてみてね。
>>別紙様式11をダウンロード<<
利用者さんの基本情報を入力する欄もあるから、パソコン上でテンプレート化しておくと便利かもね。
情報提供の方法
歯科医療機関への情報提供に当たっては、利用者または家族等の意向および当該利用者を担当する介護支援専門員の意見等を踏まえ、連携歯科医療機関・かかりつけ歯科医等のいずれかまたは両方に情報提供を行うこと。
利用者さんや担当ケアマネさんの意向確認をしてからスタートする加算なんだね。
口腔の健康状態の評価項目
口腔の健康状態の評価は、それぞれ次に掲げる確認を行うこと。ただし、7および8については、利用者の状態に応じて確認可能な場合に限って評価を行うこと。
- 開口の状態
- 歯の汚れの有無
- 舌の汚れの有無
- 歯肉の腫れ、出血の有無
- 左右両方の奥歯のかみ合わせの状態
- むせの有無
- ぶくぶくうがいの状態
- 食物のため込み、残留の有無
情報提供で使う『別紙様式11』に、この内容は評価項目として入ってたから、その書式を使えば間違いはなさそうだね。
参考資料
口腔の健康状態の評価を行うに当たっては、別途通知(「リハビリテーション・個別機能訓練、栄養、口腔の実施および一体的取組について」)および「入院(所)中および在宅等における療養中の患者に対する口腔の健康状態の確認に関する基本的な考え方」(令和6年3月日本歯科医学会)等を参考にすること。
それぞれへのリンク
主治医への情報提供
口腔の健康状態によっては、主治医の対応を要する場合もあることから、必要に応じて介護支援専門員を通じて主治医にも情報提供等の適切な措置を講ずること。
『介護支援専門を通じて』って書かれてるのがポイントだね。
サービス担当者会議の活用
口腔連携強化加算の算定を行う事業所については、サービス担当者会議等を活用し決定することとし、原則として、当該事業所が当該加算に基づく口腔の健康状態の評価を継続的に実施すること。
どこのサービス事業所が口腔の評価をするか、決めるんだね。
『継続的に実施』って書いてあるから、事業所内で継続して評価を続けられるか話し合うことも必要だね。
口腔連携強化加算の実際の手順と図解
口腔連携強化加算の具体的な手順を把握することが重要です。
正しい手順を理解することで、スムーズに加算を算定できます。
具体的な手順について、ここからは図解で説明していきます。
※上記画像はご自由にお使いいただいて大丈夫です。SNSやWEBサイトに貼る際は以下のリンクを一緒に添付してください。
『令和6年度介護報酬改定の主な事項について』では、歯科医療機関と相談ができる体制を確保し、文章にすることが必要と書かれています!
口腔連携強化加算の注意点とポイント
口腔連携強化加算の算定には、いくつかの注意点があります。
これらの注意点を理解していないと、加算が認められない場合があります。
口腔連携強化加算の注意点
- 『指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準』と『令和6年度介護報酬改定の主な事項について』の差。
- 必ず利用者の同意を得ること。
『指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準』と『令和6年度介護報酬改定の主な事項について』の差
『令和6年度介護報酬改定の主な事項について』と『指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(短期入所サービス及び特定施設入居者生活介護に係る部分)及び指定施設サービス等に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について』では、内容に若干の差がありました。
1番注意が必要だと感じたのが『令和6年度介護報酬改定の主な事項について』には、
””当該従業者からの相談等に対応する体制を確保し、その旨を文書等で取り決めていること。””
という文章が記載されています。
どちらかしか見ていないと見落とす部分なので、しっかりどちらも確認しておきましょう。
必ず利用者の同意を得ること
利用者の同意、家族、ケアマネの同意を得て、事業所で評価を開始することが必要な加算です。
他の加算のように、施設で自発的に取り組んで実績で算定していいものでは無いので注意しましょう。
口腔連携強化加算を5項目でわかりやすく解説!算定要件を理解しよう! まとめ
この記事のまとめ
- 口腔連携強化加算という、利用者さんの口腔状態を評価して算定できる加算がショートステイにある。
- 歯科医療機関との連携や利用者さん、家族、ケアマネの同意などが必要。
- 評価後の情報提供をして算定できる加算!
これから算定する!っていう施設では、加算の点数と内容をよく確認して、実行するかどうか決めてみてね!